STUDIO NOTE

仕事柄、空間のイメージはいつも収集していて、スタジオには壁一面の本棚に図鑑のように資料やカタログや見本帳なんかが詰まっています。お店づくりをする最初の段階で一番する事がこのイメージ集めと整理なのですが、今日はそんなお話を。

 

お店を作りたいと思っている方は、おそらく自分なりのゴールイメージを持っていると思います。

 

「パリの五番街の裏道で食べたビストロの内装がかっこ良かったからあんな雰囲気で」とか「ブルックリンの倉庫街にある工場を改装したクラフトビールのお店がすごく渋くて、あんな感じ」とか、飲食店の場合は割と同じ飲食業の別のお店を参考にされる方が多いですね。

 

このゴールのイメージはとても大切です。このイメージを共有できていれば、例えばドアノブを選ぶにしてもスイッチを選ぶにしても、オーナーさんと設計者の選ぶものは自ずと近いニュアンスの物を選べるようになります。

 

逆に、イメージが共有できていないと設計者に対して「なんでこんなの選んだんだろう?」という疑問や不満を持ってしまう事にもなります。

 

ですので、私達の仕事ではわりと最初の段階で空間のイメージ資料を作成して、そのお店がどんな空間を目指すのかを探っていく作業をしています。

 

ケースバイケースで、案件ごとに作る資料は全然違うのですが、比較的多い作り方は近い要素を持ったお店の写真なんかをたくさん集めて、欲しい要素を書き出すイメージシートを作ります。

 

まずはゴールイメージに近そうな、参考になりそうなセンスが良いと思う空間の写真を100枚くらい集めます。

 

次に、それらに共通する要素を考えます。例えばレンガの壁と打ちっぱなしコンクリートだったり、古木板貼りのカウンターだったりです。

 

そこから、グレーの壁はこの写真のこんな感じ、床のフローリングはこの写真くらいの色味で貼り方はヘリンボーン貼りで・・・というふうに、要素別にイメージの資料を整理します。

 

こうする事で目指すべき空間の雰囲気がぼんやりと浮かび上がってくるんです。これがよく作るイメージコラージュなどと呼ばれるイメージ資料です。

 

ただ、お店のコンセプトによっては作りたいと思うお店のゴールイメージに近しい写真が今の世の中にはほとんどない、なんていうパターンもあります。今まで見た事のないお店をつくりたい!という場合はこうなりますね。

 

そういう時はお店の写真だけでなく、舞台美術や現代アート、場合によっては景色の写真であったり、合成写真でイメージを作る時もあります。どちらかというとコンセプト重視のアート的なアプローチをとる時に多いですね。

 

こんな感じでイメージひとつ作るにも色々な方法があります。

 

OFFRECOのスタジオにいらしてお打合せをする時には、直接イメージに近い本をバンバン並べて話し合ったりする事もあります。あまり図書館等には並んでいない洋書等もたっぷりあるので、お仕事をご依頼いただく時にはぜひ一度遊びにいらしてください。

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