STUDIO NOTE

たまに一緒に仕事をしている人から「で、独立して会社員時代よりも稼げるようになりましたか?」っていうのを聞かれたりします。たぶん、特に他意はなくふと思って聞いているだけだと思うのだけれど、よく聞かれるのでちょっとだけお話します。

 

そもそも日本ではどうも他人の年収の話とかを聞く事はなんとなくタブー視されているというか、お金の話はしないでねっていう雰囲気や同調圧力がある気がします。

 

とはいえ、実際には生きていくにはお金が必要なのが現実ですね。なんだかんだいって誰もが気になっている所だろうとも思うのです。

 

30代前半の男性の平均年収を考えてみる

さて、まずは前提として国税庁の民間給与実体統計調査からちょっと抜粋。

 

2015年度版で、30代前半の男性の平均年収は451万円。30代後半男性では510万円です。

 

これ、1997年版だと30代前半男性は513万円。30代後半男性は589万円なんです。ここ10年で100万円近く下がっている!

 

というのは、まぁバブル崩壊の影響もあるし、大量採用した社員がエスカレーター式に昇給した結果、若手にまわせる賃金がないってのもあるし、まぁ色々原因はあるでしょう。

 

年齢考慮しなければ2015年版では企業規模別で資本金2000万円未満の株式会社で平均360万円。資本金10億円以上の株式会社だと平均578万円。

 

これはもう、大手企業の高給階層が平均引き上げてますね。少し低めに感じるのは定年再雇用とかの影響もあるかもしれません。都市圏か地方かでもだいぶ違うと思います。

 

ちなみに僕がインハウスデザイナーとして働いていた会社員時代は20代中盤〜後半で年収300万円いくかどうかでした。ぜんぜん昇給しなかった。

 

参考までに昨今の個人事業の平均所得を見てみると、2015年版で平均257万円。まぁ、みんな経費うまく使って節税がんばっているので所得少なめに出てるんでしょうね。

 

フリーランスの年収感覚と諸経費の存在感

で、独立後はどうかというと、だいたい500万円〜600万円前後をフラフラしています。まぁ増えたっちゃ増えたけど、物価の高い東京で家族を養うとさほどの余裕はないです。

 

ちなみに一見すると平均年収越えに見えますが、実際は経費として交通費やら出力費やら消耗品やPCとか色々かかるので、手取り収入では普通に平均年収割ってると思います。

 

これにはちょっと現在の家庭の事情もありまして、仕事に120%フルコミットできている訳ではないという原因もあります。実際に実働時間ベースだと週3日〜4日勤務くらいの時短っぷりです。

 

とはいえこれから家族も増えるし、フリーランスのいちばんのメリットは自由さなので、現在稼ぎ方を再構成しているところです。

 

せっかくリスクをとって独立するのに平均年収で満足していてはもったいないし、安定を捨ててリスクをとる以上はリターンが数倍ないとやる意味ないです。

 

 

どうせ独立するなら3倍〜5倍を目指そう

よく脱サラして飲食店で独立する人とかに独立開業後の希望年収を聞くと、前職ベースか平均年収程度を答える方が多いのですが、それだとハッキリ言って独立する意味は薄いです。

 

もちろん、お金だけじゃないよという意見も理解できます。

 

自由さとか、理想とか、夢や自己実現とかも大事ですよ。

 

でも、稼げない=どこかで原価なり経費なりを削ることになります。

 

食材の品質を下げればそれはお客さんにとって良くない。

 

スタッフの人件費を削ればサービスの質や調理の質が下がってしまいます。

 

かといってオーナーの人件費を削ればオーナーさんやその家族はしんどい。

 

そんな風に、誰かにしわ寄せの行く働き方は長続きしません。

 

では独立開業するならどれ位の年収を目指せば良いのかというと、だいたい3倍〜5倍くらいを目指したらいいとコンサルの人が言っていました。

 

3倍〜5倍をめざすくらいの計算で、ようやく2倍くらいの結果に落ち着くんだそうです。始めから1倍を目指すと0.5倍とかの結果になっちゃうって事ですね。目標は高く持とう!

 

そんなに稼いでいるヤツはそういない!なんていう意見が出るかもしれませんが、街の繁盛している飲食店のオーナーさんは年収1000万円を越えている人がザラにいますよ。皆さんわざわざ言わないだけです。

 

というわけで、OFFRECOでも年収3倍〜5倍めざして絶賛業務拡大中です!

 

たぶん単発の設計料だけでは難しいので、お客さんも儲かってうちも儲かるような、そんな新しい仕組みを考えなきゃいけなそうですね。

 

つまり、新しいインテリアデザイナーの働き方をデザインしなきゃって事でしょうか。さて、どうなることやら。

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