STUDIO NOTE

かわいらしい女性2人組のおやつユニットOnakaのおやつ工房&おやつ教室です。もともと住居として使っていた3LDKのマンションを大きめの1LDKにリノベーションしました。

おやつ工房なので菓子製造業の許可を取得しつつ、厨房以外の広めにとったスペースでは特注のカッティングボード型大テーブルとベンチで8名までのおやつ教室に対応できるようにしました。

個人オーナーさんの案件のためご予算が限られていましたが、一部の工事だけプロに依頼して残りはクライアントさんと設計者とでDIYでつくってコストを大幅に抑えつつ理想的な空間づくりを実現しています。

壁の漆喰塗料やドアの塗料、真鍮製のドアノブやスイッチ類、消灯時にも絵になる電球、アンティーク調の古木の栗の木のフローリングなど、要所の素材は全て吟味して選んだ物ばかり。施工手間賃は削りつつ、でも素材そのものにこだわる事で質感のあるフレンチアパートメント風の空間になっています。

 

設計:OFFRECO

施工(内装造作):OFFRECO+有志スタッフ
※電気工事、水道工事は別途

撮影:yuricamera / OFFRECO

Onaka no Ouchi
東京都品川区(秘密のアトリエなので住所非掲載)

http://onaka.tokyo

 


もともとのオール電化のキッチンの壁を取り払ってカウンターを作る事で大テーブルのスペースとの抜けを作りつつ、菓子製造業の許可を取得できるように厨房を仕切って区画。食器棚をとりはらって製菓用オーブンを設置しています。

 

もともとあった間仕切り壁を解体してあらわれたコンクリートの梁はそのまんま表しで利用し、マンションっぽい白い化粧板のドアはドアノブをガラスの握り玉に交換してブラウンに塗装、壁はクロスをはがして砂の混じった薄紫の漆喰を塗りました。

 

 

奥まったスペースには棚を設置予定でしたが、スタート時は予算の関係もあってギャラリースペースとしました。当初の予算で実現できなくても営業しながら先々手を入れる余白をとっておくのも大切です。

 

 

おやつ教室の際にメインとなる大テーブルはDIYではなくベンチと一緒に特注オーダー。耐久性の高い無垢のブラックチェリー材で、カッティングボードの天板と記事をのばす綿棒を脚に見立てたスペシャルな一台です。

 

大テーブルの脚のディティールです。綿棒に見えるようなディティールを詰めながらブレ止め材と組み合わせてあります。マンションという事もあり搬入経路が課題でしたが、天板と脚と引出しをバラバラに作って現場で組む事で解決しました。

 

もともとあった壁付けの蛍光灯を取外し、配線を活かして素焼きのレセップを設置。昼間の営業がメインなので、消灯していても絵になるようなエジソン球という電球を選んでいます。

 

キッチン部分の冷蔵庫スペースには家庭用の大型冷蔵庫が入っているので、冷蔵庫を使わない時は隠せるように吊りレールで黒板を吊っています。レール部分は客席と同じく古木の疑似梁で意匠として処理しました。

 

空間全体のポイントになる金物類は真鍮で統一。スイッチ類も真鍮製のトグルスイッチにしました。

 

インターホン等のマンションならではの設備は移設が難しかったので収納で隠しつつ、食器棚や食材保管棚の機能も持たせています。柱型の収納はなるべくいかにもな棚にならないように、革製のシンプルな取手をつけました。

 

刷毛の表情がダイレクトに活きてくる砂入り漆喰の壁面。DIYの手仕事感がチープではなく良い味として活きてくるには素材選びが大切です。ローコストにする為だけのDIYではなく、ローコストでも感度の良い素材選びで雰囲気ががらっと変わります。

 

床材はお菓子にも使う栗つながりで、栗の木のフローリングにしました。空間に対してあえて45度振って貼っています。材料費や手間賃は普通に貼るよりも上がってしまいますが、斜めに貼ることで空間に広がりが生まれます。

 

空間のアクセントになるカラフルな飴のシャンデリア。オープン時はやや小振りのプロトタイプでの設置となりました。これからワークショップ等を経てもう少し密度を増やして行く予定です。

 

トイレはもともとあった壁面を漆喰で塗りつつ、奥の壁面に余った床材を貼りました。ここでも収納の取手やペーパーホルダー等は真鍮製で統一しています。

 

トイレのミラーはもともとあった物は外して、ちょっとした化粧直しのできる荷置きのあるシンプルなものに交換。保健所指導もあり消毒液入れは固定の物を設置しています。

 


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