STUDIO NOTE

ワインのインポーターであり蔵本さんへ直接訪問して交渉・仕入れをして販売しているヴィノスやまざきさんのPARCO_ya上野店を設計させていただきました。

前回のCORECO室町店に続き、フロア1Fの核テナントであり下りエスカレーター前という素晴らしい立地での出店で設計のご指名です。

COREDO室町店で一通りやりきった感じもありましたが、再び前回のお店のディティールを超える挑戦に取り組んでいます。

ワインショップらしさ、ワインという商材の魅力をいかにダイレクトに伝えられるかにこだわり抜いた空間です。

 

写真:Katsuhisa Miyanoshita(TRIAL)

設計:OFFRECO

施工:株式会社パルコスペースシステムズ

サインデザイン:SAFARI inc.

 

VinosYamazaki  パルコヤ上野店
〒110-0005

東京都台東区上野3-24-6 パルコヤ上野1F

 


1Fメインフロアの角地で2Fからの下りエスカレーター前という良いスポットなので、店内の視認性を意識しています。隣接テナントはディーン&デルーカさん。対面テナントはCA4LAさんという、グレードの高い店舗に囲まれた好立地です。

 

右側の隣接通路は従業員出入口へのバック導線、ガラス面にはワインに使われるブドウ品種をグラフィカルに表現。

 

店内通路奥にしつらえたワインセラーは高額商品を陳列、レジ横での対面接客と防犯性を両立しています。

 

今回のメイン素材には古木とスチールとモルタルを選んでいます。ワイナリーの倉庫兼テイスティングルームのように、コンクリートの床に古木をあわせました。使用している古木はアメリカの納屋で使われていたもので、年月を経て紫外線で色の抜けた美しいシルバーグレーがワインボトルの色味をより引き立たせます。

 

天井からはシンボリックなペンダントランプを吊り下げました。やや無骨な印象の裸電球ですが、輝度の高いグレア感でフロアを回遊しているお客様にも存在を伝えています。

 

店内の棚は古木でしつらえつつ、ボトル底面で擦れることで傷みやすい天板には強度のある化粧板を使用しています。古木のコーナー部分を45

度にカットして張り合わせる精度の高い木工加工技術で一枚板のようにしつらえました。

 

店内レジ前のチーズ販売用のケースは既製品に古木でしつらえたカバーを設置しています。メーカー保証が受けられるように冷蔵機器メーカーさんと協議し、クリアランスや固定位置などを調整しました。

 

店内の吊り金物の周りにはお店で試飲で抜栓したコルクをディスプレイできるスペースを設けています。ここに並んでいるコルクは全てヴィノスやまざきさんで取扱のあるワインのコルクたちで、お客様が試飲されたものです。

 

コンパクトな床面積ながら4メートル近い天井高を活かすために、あえて吊り造作を低めにセッティングして内照式の箱文字サインを設置しています。下りエスカレーターの方にも店名サインを見ていただきやすく、かつフロアを回遊されているお客様にも視認性の高い位置にレイアウトしました。ぜひ現地にてご覧ください。

 

店内のサインフラッグやグラフィック周りのデザインはSAFARI inc.さんにご担当いただきました。活版時代を思わせるワイルドめなフォントとイラストレーションで、今回伝えたい世界観を表現しています。


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