新しく事業を始めようとする時には色々なものが必要ですが、なにはなくとも「キャッシュイズキング」と言われるように一番大事なのは手元で動かせる現金でしょう。
人を雇う、お店を借りる、お店をつくる、食材を仕入れる、、、そして準備期間の自分自身の生活費。
その全ては投資できる現金があってこそ。
さて、そんな大事なお金の話の中で、ここを読まれる方が気になるのは「仕事を依頼するデザイン料はぶっちゃけいくら位かかるの?で、いつ払えばいいの?」って事でしょう。
Q:店舗の設計料やデザイン費の相場ってあるの?
これは色々なデザイン事務所さんが費用の話を書かれていますが、本当にケースバイケースでこれといった決まりがありません。
ざっくりと総工費の5%〜15% くらいが目安ではありますが、これって総工費1000万ならプラスマイナス100万違うわけで結構アバウトです。
うちみたいに設計専業なのか、それとも工事でも利益のとれる設計施工会社なのかでも変わります。
しいていえばJCD(一般社団法人商環境設計家協会)という業界団体が加入協会員向けに設計費の基準書みたいなものを配布していたりしますが、じゃあそれが基準になるかというと疑問なところです。
デザイン費ってこれといった目に見える仕事量がわかりにくい部分でもあり、金額が適正なのかを判断できる材料がないのも皆さんが悩まれるところでしょう。
私としてもこのデザイン費問題については毎回試行錯誤しつつ、どんぶり勘定ではなくお互いが納得のできるように細かくご呈示しています。
上記は物件ごとにつけている実働時間の計算書です。
OFFRECOでは今まで数百件分のこうした実働時間の集計をとっていますので、過去の実績をベースにだいたいそのお仕事にどれくらいの時間と経費がかかりそうかをお見積してデザイン費用を算出しています。
こうして見ていただけるとわかると思うのですが、お打ち合せ以外の資料(図面など)を作っている時間が実働時間のメインです。
0:00〜5:00とか2:00〜6:00とか結構ブラックですね。。。
で、結局いくらよ?というところですが、OFFRECOの場合はだいたい総工費の5%〜12%くらいに落ち着く事が多いです。
1000万の工事ならだいたい100万前後ですね。
これが全額うちの儲けという訳ではなく、この中で完成予想CGを外注さんにお願いしたり、模型製作などのアルバイトさんに支払いしたり、資料のコピー代や打合せ交通費なんかの経費を支払って自分の人件費を引くと営業利益率は10%〜20%くらいになります。
全体の予算から10%というと割高なイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、お店づくりの材料や工事方法のコントロールができる設計者は、色々な減額方法やコストをかけずに見た目を整えるアイデアをもっています。
過去にも工事業者さんとの見積調整や交渉、物件契約時の不動産業者さんとの家賃交渉など、トータルで設計料の倍以上を減額した事もあります。
店舗設計や店舗デザインはコストではなく投資ですから、設計料という投資をどう効率よく回収できるかが重要です。
最終的に売れるお店ができて事業が軌道に乗れば、設計料などの投資はきちんと回収できます。
Q:設計料が高くなっちゃう場合ってどんな時?
手間がかかったり難易度の高い案件や、デザインする範囲が広い場合、そもそも設計期間が長い長期案件の場合はお見積も高くなりがちです。
以下、設計料が高くなったり逆に減額可能な要素をあげておきます。
・店舗の規模
(平米あたりで算出しますが、広い場合はディスカウントします。逆に1坪程度のショップの場合は平米算出ではなく最低設定の設計料を提示させていただきます。)
・設計期間
(設計デザインに何ヶ月くらいかけるのか、2年後の出店デザインを依頼されて、出店までに何度か図面を引きなおす等の場合は作業量的にも少し割高になります。極端に短い場合は特急料金を頂くか、場合によってはお断りする事もございます。)
・デザインイメージの有無
(明確なイメージをお持ちでご提案するプランが絞られていれば割安になります。逆に色々なデザインパターンを見てみたいというご希望ですとその分だけ作業料金が増えます。)
・外装デザインの有無
(建物のファサードのデザインがある場合は設計範囲が増えるので、ファサードがない場合に比べて少し設計料が増えます。)
・諸官庁対応の有無
(保健所、消防署への対応など。物販店ですと保健所対応がない分だけお安くなります。)
・内装監理室対応の有無
(内装監理室のあるビルにご出店の場合は内装監理室対応費を頂いております。内装監理室のない物件と比較して、提出書類の準備や打合せ調整などにかなりの労力が必要となるので、業務費用の10〜15%程度をプラスさせていただきます。)
・弊社から現場への往復距離と交通費
(出張物件の場合は出張旅費及び宿泊費を別途実費精算とする事もあります。)
・サインやグラフィック類のデザインの有無
(店名サインやPOP、メニュー、店内装飾グラフィックのデザイン費用など。弊社でやる場合と、外注する場合でお値段はさまざまです。)
・その他、諸経費
(通信費や資料の印刷・出力費、事務所諸経費など。業務費用の10%前後が多いです。設計期間が短かったり、お打合せ人数が少なく出力手間が少ない場合などはディスカウントします。)
こんな感じですね。上記以外にも出店候補地の調査や物件交渉、競合店舗調査、販促物の製作やDIYなどの作業費が発生する場合もあります。
Q:設計料っていつお支払いすればいいの?
金額がだいたい見えてきたら、あとは肝心なキャッシュフローの支払いのタイミングのお話ですね。
これも、正直言うとケースバイケースです。
一般的には設計契約締結時に半額、竣工検査完了後に残額支払いという形のところが多いようです。
OFFRECOの場合は物件の規模や大きさ、事前にどれくらい持ち出しの経費がかかりそうかで都度ご相談させて頂いています。
とはいえ、新しくお店を始める際にはなかなか自由にできる資金も少ないでしょうし、お支払いのタイミングに関しては割と柔軟にご相談に乗れるようにしています。
例えば、お店の竣工引き渡し完了後に一括支払いという形の場合もあります。
Q:結局、どうすれば一番お得にお店が作れるの?
デザイン費を抑えつつ良いものを作る一番良い方法は、OFFRECOのものづくりに共感して頂いてお任せしてもらうことです。そうすればご提案の手戻りも少なくディスカウント可能です。
また、スケジュールを余裕を持っていただき、ご提案のタイミングをこちらにお任せしていただけると、設計期間が長くても割安にできます。
あとは施工箇所のDIYで工事費を抑えるという方法もありますが、これに関してはメリットだけでなくリスクもあるので改めて詳しくお話しましょう。
最終的には人と人とのおつきあいですので、いかに設計者のモチベーションをあげて最高のデザインを生み出せるように使い倒せるかが重要です。一緒にワクワクできるような、そんなお話をいただければ嬉しいです。
具体的なご相談に関しては「お問い合せ」フォームよりお気軽にご相談ください。
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